PROFILE
中途入社 小野さん
国際自動車 世田谷営業所 タクシードライバー
三鷹営業所のドライバーとして働いている小野さん。前回の「DRIVERS」取材(2016年2月)から6年、どのような変化がありましたか?
私自身の変化の前に、まずはタクシー業界の変化からお話するべきかと思います。というのも、この数年間は何においても「コロナ」が付き纏っていましたので…。新型コロナウイルス感染拡大の煽りを受けて、タクシー業界も、タクシードライバーの働き方も大きく変わってしまいました。
この数年間、世間は「コロナ」ありきで動いていましたね。それはタクシー業界でも同じだった、と。
入社した時、既に東京オリンピック(TOKYO2020)の開催が決まっていました。タクシー業界で働くなら、ぜひ「TOKYO2020」に関わりたい!…と思っていましたから、一つの目標は達成できたと思います。ただ、想像していた形とは異なりました。とにかく、最優先は感染拡大防止。お客さまとの会話の機会はほとんどありませんでした。選手の方々、報道関係の方々、要人の方々…たくさんのお客さまをお乗せする機会があったのですが、深いコミュニケーションを取ることはできませんでした。悔やまれますね…。
なるほど。新型コロナウイルス感染拡大で、コミュニケーションの取り方は大きく変わったんですね。
国際自動車(kmタクシー)の運転席には「ミラクルガード(飛沫感染防止のアクリル盤)」が設置されています。この「ミラクルガード」のお陰で、より安心・安全にお客さまをお乗せすることができるのですが…実はドライバーとお客さまの距離を広げてしまっているのも事実。「非接触」を進めるため、電子マネーでの決済も浸透しました。物理的な距離を取ることで、気持ち的にも心が離れてしまうんですよね。接客に力を入れるべきタイミングで、お客さまとコミュニケーションが取れなくなってしまうんです。また、私たちドライバーもお客さまも、皆マスクをしています。表情が分からないので、どのような接客が求められているのか読み取りづらいのも事実…。様々な場面で、仕事の難しさを感じています。どれも、コロナ禍においては仕方のないことなのですが…。
タクシードライバーとしてホスピタリティを示したい場面で、コミュニケーションが取れないのは残念ですね…。
それでも、コロナ禍ならではのコミュニケーションを模索しています。マスクをしているのであれば、お客さまの目を見て気持ちを読み取る。私たちは目だけで気持ちを伝える。これが、コロナ禍のコミュニケーションであり、ホスピタリティだと思うんです。前回の取材では、ロンドンタクシーのような「紳士的」ドライバーを目指す…と話したと思います。どんな時代、どんな状況であろうと「紳士的」であることは変わらないんです!
「紳士的」にこだわりながらも、ホスピタリティを示すのがなかなか難しいコロナ禍。小野さんの働き方も変わっていったのですね。
入社当時、何も考えずに働いてもベテランドライバーの方々に追い付けないと思って色々と考えてみたんです。とにかくお客さまに「よかった!」と思っていただける場面を作ることにこだわった結果、ロンドンタクシーのような「紳士的」なおもてなしに行き着いたんです。この「紳士的」な接客の機会が減ることは、成長の機会を失うことに繋がってしまいます。だからこそ、現状で実践できるホスピタリティの示し方を模索しました。
「昔の自分、いいこと言ってるな〜!」(笑
…そんな小野さんの、こだわりクッション。
さて、今回は二回目の取材でした。前回の取材記事を読んでみて、改めていかがですか?
根本的には変わっていないですね!いいこと言ってるな〜(笑)。正直、タクシードライバーとして働き始めた頃は、「すぐにやめてしまうんだろうな」と思っていたんです。元々物事が長続きする性格ではなくて…。それでも、こうして仕事が続いているのは、やっぱり安定したワークライフバランスがあってこそだと思います。きちんと休みの時間が取れて、頑張り次第で高収入を目指せる…正直今はタクシードライバー以外の選択肢は考えていませんね。レジャーやアクティビティが好きなので、休日にしっかりと時間を作れるのは助かります!実は昨日もフットゴルフに行ってたんです(笑)。足でボールを蹴って行うゴルフで、なかなか面白かったですよ!休みの日は友人たちと一緒に体を動かすことが多いですね!
ワークライフバランスの整った環境で、プライベートも楽しめる…まさに、小野さんの天職ですね!
さて、最後に毎度おなじみの質問をさせていただきたいと思います。ズバリ、小野さんがいつも持ち歩いているこだわりのグッズを教えてください!
いつも持ち歩いている…と言えば、このクッションでしょうか。ずっと座ったままなので、通気性が良いものを使用したくて…というのが理由の一つ。もう一つ、このクッションを使っている理由がありまして。このクッションを使うと姿勢がよくなるんです。身長が高い方ではないので、運転席に座ると小さく見えてしまって。見た目から「紳士的」でいたいですから(笑)、姿勢を整えて自分を大きく見せようと!
なるほど、ここまで変わるのですね!クッション、恐るべし…。様々なこだわりグッズを聞いてきた中で「クッション」を挙げた人はいましたが、「紳士的」でありたいという理由で使っている人は初めてです!(笑)本日は貴重なお話をありがとうございました!
前回のインタビュー(2016年)
20代でタクシードライバーは早いと思いますか?警察官を辞めて国際自動車に転職した24歳「紳士の職業にしたい」