PROFILE
2012年 中途入社 加藤さん
国際自動車 kmモビリティサービス 路線バスドライバー
今回の「kmVOICE」は「路線バス」に焦点を当てて、バスドライバーに取材をしたいと思います。 路線バスドライバーの加藤さん、本日はよろしくお願いいたします。まずは前職についてお聞かせください!
前職は、一般的に聞き馴染みのない職業に就いていまして。「レーストランスポーター」という仕事をしていたんですが…。
「レース」ということは、車に関係するお仕事でしょうか?
おっしゃる通り、モータースポーツのレースに関する仕事です。各地のサーキットで資材を運んだり、タイヤの圧・温度、ピッチの整理をしたり。モータースポーツに詳しい方々は必ず目にしている仕事ですね。私自身、モータースポーツが好きで…プライベートでは、バイクでツーリングに出掛けています。SNSにアップして多くのバイクファンたちのとの交流を図っていますよ。
バイクで通勤されているんですね!自慢のバイク、プライベートの充実感が伝わってきます(笑)。モータースポーツに関わるお仕事…確かに、レースの試合等が放送されていると、タイヤを交換するなどサポートをしているスタッフの方々を目にします。あの仕事を担当していたのですね。
そうなんです。ただ、10年前に転職を考えるようになりまして。キッカケは東日本大震災でした。レース関係者として復興を目指したいという思いが強かったのですが、当時の電力不足・ガソリン不足という状況の中では難しい所もありました。多くの資源を使用することからモータースポーツ・レースに対して悪い印象を持ってしまった人もいると思います。
震災がキッカケとなり、モータースポーツへの向き合い方が変化したのですね。
もちろん、モータースポーツは素晴らしい物だと思います。ただ、当時は「人々に求められている仕事」と言い難い部分があったのも事実です。震災当時は鈴鹿にいたのですが、東京に戻る際に自衛隊の車両をたくさん目にしまして。すれ違う度に、「人の役に立つ仕事って何だろう」と考えていたんです。車を運転すること、人の役に立つこと。そう考える内にぼんやりと「ドライバー」という選択肢が浮かび上がってきました。
「人の役に立つ」ということが、転職活動の軸となったのですね。
バスドライバーへ転職した時に心に決めた「人の役に立つ」という信念と、観光バスドライバーを続ける中で身に付けたホスピタリティ。この二つが重なって、今の「お台場レインボーバス」のサービスが実現できているのだと思います!
今回ご紹介いただくのは「お台場レインボーバス」。一体、どんなバスなんでしょうか?
お台場エリアの住居・商業施設周辺を巡回する路線バスで、地域住民の方々の要望を受けて誕生した交通手段…という所まではご存じかもしれません。たくさんの魅力が詰まった路線バスなんですよ。
レインボーバス運行経路の主な施設・観光スポット
お台場レインボーバス公式サイト
◇時刻表 ◇バス乗り場・路線図 ◇ご利用案内 ◇運行状況
https://www.km-bus.tokyo/route/odaiba/
地元住民の方々に愛される路線バス。どのようなお客さまがご利用されるんでしょうか?
2012年4月に始まったこの「お台場レインボーバス」。10年を超えて地元住民の皆さまにご利用いただいております。例えば、お台場エリアへ通う学生や商業施設で働くスタッフの方々、そして観光客の皆さまがご利用されますね。様々な目的で乗車される方が入り混じっている印象です。例えば、小学生のお子さまの中には毎日のように顔を合わせる子もいます。元気よく挨拶してくれる姿を、観光客の皆さまが目にする…不思議な光景ですよね(笑)。
確かに、路線バスと観光バスの役割を兼任するからこそ生まれる光景ですね!
元々「観光バス」の運営から始まった国際自動車(kmモビリティサービス)ですから、「路線バス」でも観光案内しよう・お客さまを楽しませよう…という気持ちが働いてしまうんです。例えば、お子さまが乗車された時のあるある話。どうしても降車ボタンを押したくて仕方ない(笑)。他の人がボタンを先に押してしまって、お子さまが「押したかったのに〜」と拗ねている時はチャンスです。さっと降車ボタンをまだ押されていない状態に直してから、車内放送で「もう一回押してもいいよ〜」と。すると子どもはとっても喜びます。なぜか、他のお客さまも喜びます(笑)。kmモビリティサービスのドライバーま皆、お子さまのために何かサービスをしたい…って思いがあるんじゃないかな。
確かに、車内がほっこりとしたムードに包まれそうです(笑)。
「路線バス」ってこんなフランクで遊び心のあるサービスしませんよね(笑)。どちらかと言えば、堅苦しいと思われているかも。ここがkmモビリティサービス「ならでは」のポイントです。「観光バス」から始まった、「よい旅を提供するホスピタリティ」が発揮されるんです。子どもたちにガチャガチャで手に入れた降車ボタンのおもちゃをプレゼントした事があるんですが…これが結構ウケましたね(笑)。以前、ご乗車いただいた時にお渡ししたら乗車中ずっと押し続けてしまったので、必ず降車される際に渡すようにしています(笑)。
なんと!ガチャガチャで流行った物ですね。そんな使い道があったとは!
「お台場レインボーバス」は、交通系電子マネーのICカードをご利用いただけません。この点は言ってしまえば「不便」な点だと思います。ですが、ぶっちゃけ私たちドライバーの気持ちとしては「ICカード使えないけど、他の所スゴイんでそっちを見てくださいよ!」というテンションで(笑)。
「ぶっちゃけ」話、いいですね!(笑)。
「観光バス」を続けてきたkmモビリティサービスが運営する「路線バス」。だから、路線バスなのに「間もなくレインボーブリッジが見えます!」と放送しちゃう(笑)。そんな、お茶目な路線バスなんですよね。電子マネーが使えない…って所は一旦見逃して、「お台場レインボーバス」ならではの魅力を感じていただきたいと思っています。そして、そんな私たちの気持ちもじわじわとお客さまへと伝わっているようで。「路線バスなのに観光案内してくれる」などのエピソードがSNS等で広がっているようなんです。中には、『遂に「お台場レインボーバス」に乗れた!』なんて投稿も。私たちのホスピタリティを通じて利用者が増え、電子マネーを利用可能にする事が私の夢です!
じわじわ、広がっていますね!
お客さまから感謝の言葉をいただく機会もあります。「お台場レインボーバス」のドライバーは、料金支払いの際に「ゆっくりでいいですよ」と声を掛けてくれる…と。他の路線バスの中には、料金をお支払いいただく際に詰まってしまうとあからさまに不機嫌な態度を見せるドライバーがいるらしいんです。私たちが「当たり前」と思って続けてきた小さな声掛けも、こうしてお客さまに届いているんだと思えば、俄然やる気が出てきますね。
私たちドライバーがよく口にするのは、「ライバルは某テーマパーク」(笑)。某テーマパークのキャストの方々のホスピタリティに負けないくらいの笑顔で楽しいことを実践するのが、私たちの仕事の流儀ですね!
このように楽しいことを10年追求して続けていたら、ある日一人の青年が話しかけてくれて。「10年前、このバスで通学していたんです!」と。私の顔を覚えていてくれたんです。人と関わるドライバーの仕事っていいな、と改めて感じた瞬間でした!
これからも、様々な人々との出会いが待っていることでしょう!ぜひ、キャストとしてたくさんの人々を笑顔にしてください。
本日は貴重なお話をありがとうございました!